妻の伯父さんはニコンのフイルムカメラユーザーでした。もう10年以上前にお亡くなりになられているので、大切なレンズとカメラは無残にもカビだらけで放置されていました。
ミーさん「伯父さんが使っていたカメラとレンズだけど、どうしようか…」
ヒガシーサーちょっと見せてみて」
まぁ趣味と言ってもね、せいぜいフイルムカメラを一台持ってるぐらいでしょう。レンズはレンズキットかな?とナメていましたが…
そのカメラ資産を見た時に絶句…なんだこの宝の山は。普通に10万円超えるようなカメラとレンズがゴロゴロしてるぞ。
本気の写真家だった妻の伯父さん
ヒガシーサーちょっと伯父さんってなにもの?すごいレンズとカメラなんだけど」
ミーさん「伯父さんは校長先生をやっていて、地域の写真や家族の写真を趣味にしていた。沖展には何度も入賞していたし、子どももいなかったからライフワークとしてカメラを愛用してたよ」
ヒガシーサーえっ?まじすか?」
妻の伯父さんは…沖展や写真コンテストで入賞したこともあるガチの写真家でした。しかしそんな素晴らしい機材たちも10年の放置でボロボロ…カビにやられていました。
なんでもっと早く教えてくれなかったのか…もし5年前に教えてくれてたら…伯父さんの大切なレンズとカメラはきっと救えたはず。
どんなに高価なカメラやレンズも、一度カビが発生してしまうと大変なことになります。沖縄のように湿気が多い地域ならなおさら。カメラとレンズの保管には必ず防湿ボックスか防湿庫を使いましょう。
というお話です。
FUJIFILM 645Zi Professional
今でも5万円を超える価格で取引されている FUJIFILM 645Zi Professional がありました。レンズに小さなカビが生えているものの、ファインダーもキレイでシャッターボタンも故障なしです。
おそらく亡くなる直前まで使っていたのでしょう。10年放置されていた割にはとてもキレイな外観です。
FUJIFILM 645Zi Professional は、55-90mmのステップズームレンズを採用していて、ブローニーフィルムを使用する全自動の中判カメラです。
状態が良ければ6万円を超える高値で取引されるほど人気のカメラですよね。
Nikomat FT ニコマート
今で言うエントリークラスの一眼レフである「Nikomat FT」もありました。光学ファインダーを除くと..かなりカビが侵食していて…もう完全にダメですね
妻のお義母さんの話や、親戚の話を聞いていると、多分コレはサブ機として使っていたみたい。いつも使っていたのはもっとゴツゴツしていて、大きかったらしい。
それで伯父さんが亡くなった時にしばらく仏壇に飾っていたけど、カメラに詳しい人がカビ生えてるから処分したほうがいいと言って、処分してくれたらしい。で見つけた「F4sの元箱」
ニコマートはエントリークラスですが、メインカメラに Nikon F4s をご愛用だったぽい。まじか伯父さん…本当に出会いたかった。
645Zi、F4s、ニコマート…知ってるだけでこの3つのカメラボディを所有してたことが分かり…手がブルブルしてきました。
銘玉オールドレンズ達
レンズもかなり放置された状態でしたが、良いレンズが揃っていました。調べたところでは以下のレンズたちです。
- 非Ai Nikkor 28mm F2.8(ニッパーニッパー)
- 非Ai Micro Nikkor 105mm F4
- 非Ai Nikkor 70-210 F4
- Ai Nikkor 20mm F2.8 D
- Nikon PK-3
- Nikon PN-1
- Nikon TELECONVERTER 2x(名称不明)
刻印を見ると全てメイドインジャパンでした。古き好きフイルム時代のカメラとレンズですね。
Nikkor 28mm F2.8
比較的カビが少なくて、まだ実写では全然問題ないレンズ。
ピント合ってない…
Nikon D40 に装着して撮影しました。もちろん非AiなのでAFも絞りもマニュアルで撮影する必要があります。全然使えるなという印象。
ただカビが…
非Ai Nikkor Zoom 70-210mm F4
滑りもまだまだ大丈夫な望遠ズームレンズ。F4通しなので小型軽量です。ただし前玉のカビがひどい。実写には問題ないけどこれは…さすがに使えないかも。
ちなみにテレコン2xを装着してもキレイな写真が写せました。
マニュアルで撮影するのは…今の時代のカメラと比べるとすごい時間がかかりますね。望遠レンズは三脚がないと使えないなというシビアさを教えてくれますね。
今のデジタルの進化ってほんとにすごいなと感じることができます。
PK-3とPN-1ってなに?
接写リングと言われているものですよね。全然分からないんですが、なにやらマクロ撮影ができるようになるものらしく、伯父さんの道具はこの「PK-3」と「PN-1」が一緒になっていたので、そのまま70-210mmを装着してみました。
…これ使い方あってんのかな?手持ちで接写してみよう。
おぉ手ブレまくってますが、確実に接写できてます。これはキーの先端部分ですが、普通に撮影するとピント合いません。
接写リングってこういう使い方ができるんですね。ただなぜ「PK-3」と「PN-1」が一緒に使われているかが分かりません。
どなたか教えて下さい。
20mmと105mmは無事
こうしたカビだらけのレンズとカメラの中で生き残っていた2つのレンズがあります。※この2つのレンズは2013年に救い出してました。
いつかニコンのフルサイズを使うときまで、大切に保管しているレンズです。
度々登場する Micro レンズ で写した写真。
ただし Micro 105mm は使う機会がないので、他のカメラ・レンズと合わせてキタムラで査定をお願いすることにしました。
防湿ボックスは絶対必要
普通に保存しておけば、今でも十分使えるレンズやカメラ達。伯父さんの遺品として使っていくことも出来ました。しかし…10年以上も湿気のヒドイ沖縄で放置されていたため、ほとんどのレンズやカメラは使えなくなってしまいました。
もちろん今でも作動できるし、写真を撮ることも出きます。しかしレンズやカメラに付着したカビは、人間の体にも悪いし、何より使っていて気分が良くないですよね。
専門店でクリーニングをお願いすれば、あるいは復活できるかもしれませんが、費用もかかりますし、復活できる保証もありません。
カメラやレンズは絶対にカビを生やしてはいけないんです。だから素人でも初心者でもカメラの保管は防湿庫や防湿ボックスを活用してください。
まとめ
というわけで、20mm F2.8D を除く機材はカメラのキタムラで査定することにして、伯父さんの遺品として預かったカメラとレンズは、残念ながらドナドナします。
あぁ勿体無いなぁ。こうならないためにもカメラの保管は防湿ボックスを活用してください。
でも「カメラに詳しいヒガシーサーが居てくれて良かったよ。伯父さんも喜んでくれてるよ」と親戚の皆さんが言ってくれてるので嬉しかった。
もし伯父さんが生きていたら、写真を教えてもらいながら泡盛の一杯でも飲みたかったなぁ。世代を超えて愛される趣味っていいですね。