前回のあらすじ

子供の写真を撮るのが楽しくて仕方がなかった主人公。運営するブログでもカメラの楽しさを書いていた。しかしカメラのことを書き始めた途端にネガコメが毎日届くようになる。それから落ち込み、次第に写真を撮ることを楽しめなくなった。

そのころから量販店に行っては高スペックのパンフレットをひたすら集めてくるという奇行を繰り返すようになる。

どうやらカメラウイルス(C-ウイルス)と言われるスペックゾンビ病に感染したらしい。まだ本格的な発症ではなく、初期段階の症状で済んでいる。今ならまだ発症を抑えることができるが、その方法を試せるかどうかは運次第だった。

偶然にも効果的な治療方法である「家族旅行」が控えており、ここでもしかすると症状を緩和することができるかもしれない。

今回はスペックゾンビ病に感染した主人公が、家族旅行に一眼レフを持っていったところから始まる話である。

たしかに良い写真は撮れるが一眼レフ邪魔

ピーターの奥さん「やっと着いたねー」

那覇空港から静岡までの道のりは色々とトラブルも多かったが、息子は初めての飛行機と新幹線で終始ご機嫌だった。そしてここまでの間に久しぶりにバシャバシャと撮る主人公の姿があった。

ピーター「やっぱり写真って面白い!早く新しくて高スペックのカメラ買わなきゃな」

依然としてスペゾンの初期症状は出ているものの、写真の楽しさを思い出したようだ。これがまず旅行にカメラを持ち出す大きなメリットである。同時にたったこれだけの移動だけでも伊波は疲弊していた。

ピーター

「抱っこするときにガチャガチャ当たるし、しゃがむときにブラブラするし、荷物もいっぱいあるからぶっちゃけ一眼レフ邪魔だな。単焦点レンズは置いて来れば良かった」

自分が持っている標準ズームレンズだけで十分だと気づき始めた主人公。家族旅行に予備のレンズを持っていっても交換する手間暇を考えると嫌になってしまった。というよりそんな余裕なんて35mm判換算で1mmもなかった。

C-ウイルス初期症状の緩和 一眼レフをレンタカーの中に放置

一眼レフは常に持ち歩かなきゃいけない。という脅迫概念を持って旅行をしていた主人公だが、旅行3日目にはこう変わっていた。

ピーター

「一眼レフ邪魔だからiPhoneで済ませよう。ポケットに入れておけるとか神かよ」

早々に一眼レフ邪魔ということに気づき、あれだけ楽しみにしていた富士山もスマホで済ませるという(笑)

おいおいそれでいいのかと思ってしまうが、これが「子連れの家族旅行」の大きな力だ。C-ウイルスに感染していようが発症していようが、家族には敵わない。どうやら治療は成功したようだった。

カメラではなく写真の基本を学ぶべき

ピーター

「やっぱりでも一眼レフで撮った写真は綺麗だなー。iPhoneと比べるとぜんぜん違うよ」

その当時主人公が使っていたのは iPhone4S である。スティーブジョブスが最後に関わったスマホだ。この製品のお陰で全世界の人間がフォトグラファーになる時代に突入した思い入れのある製品である。しかしそんな素晴らしいカメラ機能を持ったスマホでも、エントリークラスで6年前のカメラが写し出す写真の足元にも及ばない。画素数はiPhone4Sの方が全然上にも関わらず。

ピーター「うーんなんでスマホで撮った写真はいまいちなんだろうか…?でも時々一眼レフと同じくらい良い写真も撮れるよね。とくに日中の外で撮ったものはそんなに変わらない。でも室内とか夜とかの写真はザラザラしちゃって全然だな…。ん?明るい場所と暗い場所で違うのか?なぜだろう?うーん分かんないな」

あれだけカメラのスペックを調べまくってスペゾンになりかけていたのに、そんなことも分かっていない。

でもそれは仕方ないことで理由もちゃんとある。今の時代は全くの素人がいきなりフルサイズの一眼レフを買えてしまう時代だ。写真の善し悪しを決める基本のスキルや技術を学ばないままカメラのスペックだけを口コミサイトで確認して買えてしまうからだ。

次回予告 写真の師匠と出会う

スマホと一眼レフが写す写真の違いも分からず、それぞれに得意な写真があるのも知らない。だからこそ「高いスペックを買えばいいんだろ?」という考えに至って、やがてはスペゾンになってしまうのだ。

それを避けるためには「写真の基礎」を学ぶ必要がある。主人公は旅行で気付いた一眼レフのメリット・デメリットからようやく「写真学ばなきゃ駄目っしょ」ということに気付いた。遅すぎw

そんな矢先、一通のメッセージがブログに届いた。

ジェイ「はじめましてジェイと申します。私も沖縄在住で写真を趣味としています。今度一緒に写真を撮りにいきませんか?」

ピーター「えっ?なんだろう、いたずらかな?」

そう思いながらも写真仲間が1人もいなかった主人公はこのメールの主と会うことにする。この時点ではまだ自分の人生を変えるような出会いになるとは分かっていなかった。

魔法の一眼レフ