サーフィン

五十嵐カノア選手 WSLチャンピオンシップツアー出場で日本が盛り上がる違和感

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はいさい。サーフィン歴10年だけど実力は5歳児のヒガシーサーです。

2016年には日本人のご両親を持つアメリカのサーファー「五十嵐カノア」選手が世界のトップツアーに参戦するということで、日本でもニュースになっています。

サーフィンの実力は初心者レベルですが、始めた当初から世界のサーフ情報をウォッチするのが好きでした。初めて日本を出てサーフトリップしたバリ島では、バリ島でミック・ファニングと同じポイント(ヌサドゥア)でサーフィンしたときは嬉しくて死にそうでした。

その翌日に、チャングーで今のカノア選手のコーチ「ジェイクパターソン」のサーフィンを見た時も嬉しくて死にそうでした…私がサーフィンを始めた頃はスネークの相性で有名だった選手です。

と、そういう情報がどうでもいいんですが、私は…ずーっと世界のサーフシーンを楽しみにウォッチャーしています。

で、オリンピックの正式種目になるかならないかの今の状況で、ご両親が日本人の五十嵐カノア選手が世界最高峰のWSLチャンピオンシップツアーに2016年から参戦することが決まりました。もちろん日本中のサーファーが大騒ぎしています。

WSLチャンピオンシップツアーに参加するというのはどういうことか?

簡単に言うと F1 の舞台で日本人が参戦するのと近いです。

信じられないレベルの争いを繰り返してやっとの思いでたどり着くF3、F2。そこで更に勝ちを続けて別次元のF1に参戦できる。あんまり詳しくないんですがF1の世界ってそういうイメージがあります。

もちろんF1は既に日本人選手が参戦した歴史があるんですが、とんでもないピラミッド構造なので、すごいとしか言えない。

サーフィンのチャンピオンシップツアーもF1とイメージが似ています。

WSLチャンピオンシップツアーに参加するためには、WQSと言われる下位カテゴリーの試合で年間を通じていい成績を残す必要があります。(下位カテゴリーとは言っても世界中のエリートサーファーがしのぎを削る場所で、日本人サーファーは大原洋人選手が2015年に初めて優勝したのが歴史的快挙と言われるレベルの世界です。)

昨年WQSのプライムイベント(最もポイントレートが高い試合)で優勝した大原洋人選手ですら、結局チャンピオンシップツアーに参加するのに必要なポイントを稼ぐことが出来ず、来年もWQSでの戦いを強いられています。

つまりトップオブトップしか戦えないのがWSLチャンピオンシップツアーなんです。

錦織選手並みに騒いでもいいくらい雲の上の話

で、そのチャンピオンシップツアーに参加するサーファーは、テニスで言うとランキング32位以下の世界。その中でも別格の選手が数名います。

世界で最も闘争心が強いアスリートとして全米ランキングの1位(全てのアスリートの中で)を獲得した、20年以上もサーフィンのトップツアーでトップを争い、11回もワールドタイトルを獲得しているケリー・スレーター。

3回ワールドタイトルを獲得したミック・ファニング。2012年にワールドタイトルを獲得したジョエル・パーキンソン。

生まれた頃にはすでにケリーがワールドチャンプになっていた世代「ジョン・ジョン・フローレンス」や「2014年のチャンピオン ガブリエル・メディーナ」2015年のWSLチャンピオン「エイドリアーノ・スーザ」など…

もうねすごい世界なんですよ。いくらトップツアーに参加したからと言っても、ずーっと勝ってるビッグネームもいれば、神レベルの実力者でも1度の試合も優勝できないWSLランカーなんかもいっぱいいるわけです。

錦織選手が登場するまで、テニスのワールドランキング30位以内に日本人の名前が連なるなんて想像もできなかったことと似ているかもしれない。

そんな神々の戦いの舞台に「日本人が参戦する」ってのは、日本人サーファーにとって本当に大事件。長い歴史を持っている日本サーフィンの世界でも、歴史上初めてのことだし、それはそれは日本サーファーの悲願でもあるわけ。

で、そこで騒がれているのが五十嵐カノア選手のWCTチャンピオンシップツアー参戦のニュース。

違和感の理由

日本のサーフィン業界のニュースサイトでは、軒並みこんな見出しで記事を書いてるんですよね。

来日って言ってる時点でもうなんかゴチャゴチャわけ分からん。日本人なら凱旋帰国とかにならない?まるで五十嵐カノア選手が日本人であるように書かれてます。でも…カノア選手ってご両親が日本人なだけで、国籍がUSAなので完全にアメリカ人ですよね。

wsl
Athlete Rankings – World Surf League

違和感というか、なんかそれは違う盛り上がり方な気がする。頑張ってる日本国籍の選手をもっとクローズしようよ。

気持ちは分かる。ぼくも大好きな選手

2015年8月に大原洋人選手が QS10000イベントの US OPEN(しかもUS OPENっていう表現が正しい。すごい大会なのだ)で優勝した時は紛れも無く「日本人の快挙」でした。

しかし、F+のユキさんもおっしゃる通りクールにあと一つ優勝を重ねることができず、クオリファイは果たせなかった。それはとっても残念なことでしたが、それでも日本人サーファーがプライムイベントで優勝してWSLにクオリファイするかもしれないというのは、日本中のサーファーが心を踊らせました。

大原洋人、US OPENで優勝- F+ NEWS

それが達成できなかったからといってUSA国籍のカノア選手をまるで日本の誉れとも言わんばかりの雰囲気に…違和感を感じる。

逸材で若い頃から期待されていた選手は世界中が知っている

カノア選手は10代前半の頃にクイックシルバーにスポンサードされ、ヤングガンとしてケリーと一緒に世界中のサーフトリップムービーに出るような、活躍が期待されていた逸材です。そんな逸材のご両親が日本人ということも、日本人サーファーにとっては嬉しい事でした。

しかし幼少時代からアメリカのハンティントンビーチで切磋琢磨してきて、努力の末に勝ち取ったWSL参加という快挙を、なぜ日本のサーフィンメディアが「日本人初!」と盛り上げることをしちゃうんだろうか…

私はそれよりも大原洋人選手の2016年の活躍を願いたいし、2020年のオリンピックにサーフィンが正式種目として採用され、日本の海で世界のトップサーファーと金メダルを争う日本選手の応援をしたい。

オリンピックにカノア選手がアメリカ代表で出場して、「日本人初の快挙!ご両親が日本人のカノア選手!金メダルおめでとう!」とか言うのとはちょっと違うと思うんだけど。

もちろんカノア選手の活躍はとても楽しみです。小さい頃からムービーで見てたし、今の大きなスケールのサーフィンは見ていて楽しい。世界のトップサーファーとしての一人として素晴らしい選手という想いはあるけど、頑張れ日本選手!という気持ちとは違うんだよね。

だからそこは「カノア選手おめでとう!頑張れカノア選手!」でいいと思うんだけど。

20歳になったら日本国籍を取得するかも?

今はUSA国籍ですが、20歳になったらどっちかを選びますよね。そこで日本国籍を取得して、日本国籍の選手になったら「日本人初」でいいじゃない。

だってご両親が日本人だとしても、アメリカで生活していて、USA国籍を持っているのに日本人として扱われるのってカノア選手に失礼じゃないか。もちろん本人も日本人としての気持ちはあるかもしれないけど、世界はグローバルなんだから、一人の選手を◯◯人とかいう扱いをするのは…なんていうか違和感マックスですよ。

それよりもオリンピックがどうなるのか気になる。

オリンピック関連 | ニュースカテゴリー | NSA 一般社団法人日本サーフィン連盟

まとめ

ぼくはもちろんカノア選手を大好きだし、日本のサーフシーンもメディアも大好きです。まぁ日本人のサーファーモラルは問題ですけど。

大好きなスポーツであるサーフィンが、オリンピックの正式種目になってほしい期待も当然あるし、その活動をしている協会やサーファーの皆さんもリスペクトしてる。

だからこそ、だからこそ…USA国籍のカノア選手を「日本人初!」とかの扱いはどうかと思っちゃう。日本のサーフィンを盛り上げようと努力している人たちが日本中にいるから、やっぱりちゃんと日本人選手を盛り上げていってほしいなと思うわけです。

これで、もし2016年に大原洋人選手がQSで良い成績を取って、WSLチャンピオンシップツアーにクオリファイしちゃったら、「日本人二人目の快挙!」ってなっちゃうのか…

それはそれで、カノア選手もヒロト選手もがっかりな感じになっちゃわないか心配です。

WSLサーファー 五十嵐カノア選手 応援しています。

Kanoa Igarashiさん(@kanoaigarashi) • Instagram写真と動画

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