XF16mm F1.4 R WR レビュー!X-E2との相性は?

5 min
xf16mmf1.4rwr

※当サイトはアフィリエイト広告を利用しています。

今回、FUJIFILMのミラーレス X-E2 ユーザーである私が買ったレンズ XF16mm F1.4 R WR が、使ってみたらあまりにも面白いレンズだったのでレポートします。

今回のレビュー記事は寄稿となります。

xf16mmf1.4rwr

スペックは?

  • 焦点距離16mm(フルサイズ換算で24mm)
  • 開放F値1.4
  • 重量375g
  • 最短撮影距離15cm(センサー面から)
  • 最大撮影倍率0.21倍

スペックをひとことで表すと、ズバリ「明るくて、なにより被写体に思い切り寄れる広角レンズ」です。使ってみるまで分かりませんでしたが、コレめちゃめちゃ楽しいです。購入する前は、「広角の単焦点(=ズームできない)って使いにくくない?」「用途が限られるかも…」と思っていました。が、いい意味で大ハズレでした。

このレンズで撮れる写真とはどんなものか?今回はその辺をレポートしたいと思います。

広角レンズなのに背景がボケてふわっと写せる

xf16mmf1.4rwr_fujinon_fujifilm

広く写り込んだ背景が思い切りボケていますね。

自分で作った小物の紹介とかにも良さそうです。こういう撮り方は、これまで「大きくて」「重くて」「高価な」フルサイズのカメラを持つ人の特権でした。明るいフルサイズ広角レンズはカメラと合わせて余裕で1.5kg超えです。このレンズとFUJIFILMのミラーレスとの組み合わせだと750gくらいでしょうか。決して軽くはないですが、スナップ撮影で下げて歩ける範疇です。

花畑を撮っても印象の違う写真が撮れます。

xf16mmf1.4rwr_fujinon_fujifilm

手前のコスモスにピントを合わせつつ、奥へ行くほどボケていく。美しいボケ味と表現力です。広角レンズながら美しい背景ボケを表現できるのは XF16mm F1.4 R WR の大きな武器ですね。

被写体に寄れてマクロ的に使える

xf16mmf1.4rwr_fujinon_fujifilm

最短撮影距離15cmとありますが、これはカメラのセンサー面からの距離なので、レンズ前からだとだいたい5cmくらい。そりゃもう「コンデジかよ!!」ってくらい寄れます(笑)そうやって撮った写真がこちら。

xf16mmf1.4rwr_fujinon_fujifilm

マクロレンズ?というのは言い過ぎにしても、びっくりするくらい寄れちゃいます。これは同じFUJIFILMのXF23mm f/1.4や、XF14mm f/2.8にもない特徴です。

絞り開放で寄ってもピント面はめちゃくちゃシャープ。

街中のスナップなどで大きく写したい被写体を見つけても、寄れない!困った!ということはまずありません。さらに絞りを開けて寄れば、背景はそれはもうトロットロにボケてくれます。

ヒガシーサーちょっと信じられないレンズ性能ですね。Mさん…マジすかコレ。欲しい」

パースをかけてみる(広角レンズ特有の歪み)

24mm(フルサイズ換算)という画角は極端に広いわけではないですが、自然なパースペクティブがかかるので、被写体の一部をさりげなく強調するような撮り方をするのにももってこいです。

xf16mmf1.4rwr_fujinon_fujifilm

ベーシストの知人に下から近づいてみました(この写真のみ縦横比4:3)。加えてこのレンズは開放値が明るいため、強調する部分以外が自然にボケてくれます。パースとボケのダブルパンチ!このインパクトは大きいですよ。

つくも神「レンズの明るさはF値で決まるわ。F2.8、F2、F1.8は単焦点レンズの代表格。それを超える F1.4 というのはとても明るいことを表してるの」

F値を小さくするとピントの合う範囲がとても狭くなり(被写界深度が浅い)、ピントが合ってない部分を大きくボカすことができます。

またレンズの焦点距離や画角によってボケ量というのは変わります。通常は広角レンズより、望遠レンズのほうがボケ量が大きいんだけど、XF16mm F1.4 R WR は換算24mmながらF1.4という明るいレンズなのでボケ量も多く、さらに美しいボケ味を表現出来てますね。

ヒガシーサーレンズは広角になるほど画角の4隅が丸まったようにゆがんでしまいます。これをパース、パースペクティブとか言うんだけど、広角レンズの特徴を理解してパースを有効活用する写真表現もあります」

広角レンズは、歪みがあったり、パンフォーカス気味(背景をボカさない)に撮影することが多いので、料理を美味しそうに写そうとすると色々気を使う点が増えます。テーブルフォトなんかは背景をキレイにしなきゃいけませんね。

テーブルフォトにも使える広角レンズ

XF16mm F1.4 R WR なら、背景を程よくボカして被写体を浮き上がらすことができるので、広角レンズながらテーブルフォトに使えるかもしれません。

xf16mmf1.4rwr-fujifilm-fujinon

テーブルフォトはキチッと写すなら標準~望遠(50-90mm)がいいとされていますが、「広角」で「寄る」と断然「かぶりつき感」が出ますね。カメラ好きのおっさんがカッチリ撮るより高校生がスマフォで撮る画の方が美味しそうに見える…というのの原因の一つはコレだと思います。twitterに飯テロを流すなら断然こっちですね(笑)

つくも神「テーブルフォトは換算50-90mmで写すと言われてる理由は、まず被写体が歪まないことが前提として撮影条件にあるからよ。写したいものを変形させずに表現するというのは広告写真では絶対の条件。だからテーブルフォトや小物、物撮りなんかでは50-90mmの焦点距離で写すことが良いって言われているのよ」

普通に広角レンズとして風景などを撮る

xf16mmf1.4rwr-fujifilm-fujinon

普通の広角レンズとしてももちろん超優秀です。絞り開放を使えばイルミネーションの手持ち撮影にも最適ですし、絞りを絞ればそれはもう非の打ち所がないくらいシャープに写ります。特にFUJIFILMのカメラボディの性能も相まって、コントラストが高い一方で微妙な色の濃淡やグラデーションもものすごく繊細に描ききる感じです。

ちなみに写真は、「田芋」という沖縄独特のイモをつくる畑(水田)のあぜ道です。

ヒガシーサー金武町の田芋パイ、宜野湾市のハオツーのターンムまんは大好きです。というか田芋…が大好きです。高いけど」

デメリット・弱点など

一応、使ってみて感じた短所についても書いておきましょう。

  • かなり高額
  • 決して「コンパクト」とは言えない
  • AFはそこそこ
  • 撮影状況によってはややボケが固い

価格は新品で現在のところamazonで10万を少し切るくらい。私は清水の舞台から5回くらい飛び降りる思いで中古を購入しました。

大きさ・重さについてはやはり「コンパクト」とは言いがたいものがあります。私はX-E2につけていますが、かなりフロントヘビーになります。今のFUJIFILMのフラッグシップであるX-T1や、今年出ると言われているX-Pro2とならベストなバランスになりそうです。

参考記事:X-Pro2 富士フイルム最新情報まとめ!ついに外観が明らかに?

AF速度は、FUJINONレンズの中では決して遅くない方ですが、レンズの玉自体が小さい(f値の暗い)キットレンズやパンケーキレンズには負けます。NikonやCanonの一眼レフを愛用していた方は、間違ってもAF速度に期待しては駄目です(笑)

ボケについては、これはもう完全に好みでしょう。被写体が最短付近に来たときのボケはとてもスムースですが、人物の全身を撮った場合の背景についてはややザワザワと芯の残るボケになります。こういうのが好きな方もいれば、邪魔だと感じる方もいます。私はむしろ好きな方ですね。SIGMA20mm f/1.4なんかの作例(フルサイズ)を見ると、こちらはもう少しスムースなボケのようです。

また、これはデメリットではありませんが、色乗りはコッテリ色が乗りやすいFUJINONレンズの中ではややあっさりした傾向にあると思います。

実はスマホから本格的なカメラに移行する人にもオススメ?

まず、とびきり明るい広角レンズを探していたFUJIユーザーの方にはまさにドンピシャなレンズだと思います。「魅力的だけど、24mmは広すぎて使わんなぁ」という方は、もう一度作例を見なおしてみて下さい。「寄れる」「ボケる」という特性を活かせば、単焦点にもかかわらずホントにいろいろな撮り方ができるレンズです。

あと、「iPhoneでずっと写真を撮ってたけど、ここらで奮発してすごくいいカメラが欲しい」というような方には、FUJIFILMのミラーレスとこのレンズの組み合わせはめちゃくちゃ!オススメです。何故かというと、ずっとスマフォで写真を撮られていた方にはこの「24mm(フルサイズ換算で)付近」という画角はとても馴染み深いものだからです。もちろん、スマフォでは得られないような深いボケも実現できます。

昔からカメラの世界では「50mmが標準」と言われていて、いい写真を撮るならまず(フルサイズ換算で)50mmの画角の単焦点レンズを買って練習しなさい、と言わたものです(私も買いました)。

しかし、スマフォやコンデジで写真を撮るのに慣れた方がこの「標準レンズ」を買うと、最初はほぼ間違いなく「写る範囲の狭さ」に四苦八苦することになります。

あるコラムで、

“SNS上にスマフォで撮った画像が溢れるこの時代、人々にとっての標準的な画角は昔の50mmよりずっと広い「24-28mm」になりつつある”

ということをおっしゃっている方がいましたが、これは非常に的を射た意見だと思います。

ヒガシーサーフジフイルムが換算28mmのXF70を出すのは、そういう理由も加味しているのかもしれませんね」

まとめ

いかがでしょうか?かなり高価なレンズではありますが、一本の単焦点レンズとは思えないくらいいろいろな撮影に使うことができ、非常に価値のあるレンズだと思います。

「たまに風景撮るから広角欲しい」という方にはちょっと高い投資だと思いますが、広角が好きでたまらない!という方なら、もうこれ一本で満足してしまえるレンズであること間違いなしです。

ヒガシーサーはこう思う

FUJIFILM X-E2XF16mm F1.4 R WR の組み合わせはとても楽しそうです。またこのレンズはFUJIユーザーのみならず、他社製一眼カメラを愛用している方も気になっているはず。

写りがいいのは分かっているけど、ネット上のレビューが少ないというのもフジノンレンズの大きな悩みですよね。大手サイトのありきたりなレビュー記事ではなく、本気のフジユーザーのレビュー記事はとても参考になりました。

この記事ではコメントを開放しますので、ぜひみなさんの感想をお待ちしています。Mさん、とても素晴らしいレビュー記事をありがとうございます。

ヒガシーサー

ヒガシーサー

沖縄在住2児の父。夫婦で子育てセミリタイアを実践。カメラとサーフィンが趣味。ブログでは家族の思い出をキレイに残す撮影方法や、フォトブックの選び方などを解説。書籍「いいねを呼び込むiPhoneコンデジ写真術」Kindle出版。

FOLLOW

カテゴリー:
関連記事

2 件のコメント

  1. 色んなレビュー記事を見ましたがこちらのサイトはテンプレートのようなものではなく
    ユーザー目線で分かりやすくとても参考になりました
    コラムの引用もなるほどなと頷けます
    FUJIFILMのカメラに装着する最初のレンズとして
    XF16mm F1.4 R WRを選択して少し撮影してみた結果、かなり満足しています

    • コメントありがとうございます。本記事はカメラを本気で愛してるフジユーザーさんに執筆してもらった記事です。そのため、誰にも書けない記事をレビューを含めて書いていただいてます。その気持が伝わって頂けて本当に嬉しいです。