2026年5月12日、パナソニックが「LUMIX L10」を発表した。
LX100を5年間使い続けた私にとって、これは普通のカメラ発表ではない。「LX100の後継機がほしい」と思い続けた10年間の答えが、ようやく出た瞬間だ。
発表直後から海外のカメラ好きの間で「これが待ってたやつだ」という声が相次いでいる。私も同じ気持ちだ。ただ、手放しで喜ぶ前に、LX100ユーザーとして冷静に見ておきたい点もある。
実機はまだ触れていない。これは発表を受けた「最初の正直な感想」として読んでほしい。
まずはパナソニック公式の発表動画を。
目次
LUMIX L10 とはどんなカメラか
一言でいえば、「LX100のコンセプトを現代のフラッグシップ技術で作り直した固定レンズコンパクト」だ。LUMIX 25周年(2026年)の記念モデルとして発表された。

主なスペック
| 項目 | LUMIX L10 |
|---|---|
| センサー | 有効2,040万画素 マイクロフォーサーズ BSI CMOS |
| プロセッサー | LUMIX S1 II と同等の最新世代 |
| レンズ | LEICA DC VARIO-SUMMILUX 24-75mm f/1.7–2.8 |
| クロップズーム | 最大 24–200mm 相当 |
| AF | 位相差ハイブリッド 779点 / 被写体認識 |
| 連写 | 電子シャッター 30fps / メカ 11fps |
| ファインダー | 236万ドット OLED |
| モニター | 184万ドット フリーアングル |
| 動画 | MP4 Light / オープンゲート / スローモーション |
| マイク入力 | あり |
| 重量 | 約508g(バッテリー・SD カード込み) |
| 発売 | 2026年6月(ブラック/シルバー) |
| 価格(海外) | $1,499 / £1,299(チタニウムゴールド限定版は $1,599) |
| 国内価格 | 未発表(2026年5月時点) |
センサーは LUMIX GH7 と同じもの。プロセッサーは S1 II と同等とされている。固定レンズのコンパクト機に、パナソニックがいま持っている最上の技術を詰め込んだ構成だ。
LX100 と何が変わったか
LX100レビュー記事でも書いたが、あのカメラの魅力は「ちょうどいい」ことだった。大きすぎず、ファインダーがあり、Leica レンズで、写真を撮る楽しさがあった。L10 はそのコンセプトを引き継ぎながら、技術的には別次元になっている。
進化した点
オートフォーカス
LX100 の頃は「AFが迷う」というのが正直なストレスだった。L10 は位相差 779点+被写体認識を搭載する。動く子供を撮っていたあの悩みは、おそらく解消される。
クロップズーム(24–200mm相当)
レンズ自体は 24–75mm だが、センサーの画素数を活かしたクロップズームで最大 200mm 相当まで引き伸ばせる。LX100 の弱点は望遠が短かったこと(75mm相当止まり)だったので、これは実用的な進化だ。
リアルタイム LUT
フィルムシミュレーションのような機能が Panasonic にもついに来た。「L Classic」「L Classic Gold」「モノクロ」などのフォトプロファイルが内蔵されている。海外の評価では「Fujifilm のフィルムシミュレーションより自由度が高い」という声も出ている。
縦位置 UI
縦位置で構えると設定表示が縦向きに切り替わる。スマホで写真を見る時代に合わせた機能で、地味だが使い勝手に直結する。
マイク入力
LX9・LX100 になかったマイク端子がついた。写真専用として使う分には関係ないが、動画も撮る人には大きい。
変わらなかった点(良い意味で)
- 固定レンズ(ズームはできるが、レンズ交換式ではない)
- Leica ブランドの光学設計
- 小型ボディにファインダーあり
- フォト/ビデオ切り替えダイヤル
- GH7/S9 と共通バッテリー

正直に気になる点
重量・サイズ:コンデジの定義から外れ始めている
3機種を並べると、L10 がいかに大きくなったかがよくわかる。
| LX9 | LX100 | L10 | |
|---|---|---|---|
| 幅 | 104.7mm | 114.8mm | 127.1mm |
| 高さ | 60.6mm | 66.2mm | 73.9mm |
| 奥行 | 43.3mm | 55.0mm | 66.9mm |
| 重量 | 351g | 393g | 508g |
LX9 と比べると幅で 22mm、奥行きで 23mm 増えている。重量は LX9 比で +157g、LX100 比でも +115g だ。
コンデジの最大の魅力は「ポケットに入れて持ち歩けること」「小さなバッグに忍ばせておけること」にある。LX9 はシャツのポケットにも入った。L10 はおそらくそうはいかない。
スペックを見れば重くなった理由はわかる。GH7 センサー、OLED ファインダー、マイク端子、フリーアングルモニター——これだけ詰め込めば当然の結果だ。ただ、「コンデジを選ぶ理由」の一部がここで失われているのは正直に言っておきたい。
価格:,499(約22〜23万円前後か)
国内正式価格はまだ出ていないが、海外価格から推察すると 20万円台前半になる可能性が高い。LX100 が発売当初 8〜9万円台だったことを考えると、価格帯は別物になっている。フラッグシップ技術を詰め込んだ結果なので納得はできるが、「気軽に買うカメラ」ではなくなった。

なお、限定版のチタニウムゴールドは $1,599(7月発売予定)。見た目の完成度は高く、所有欲をくすぐるモデルではある。
ND フィルター非内蔵
動画目的で使う場合、外付け ND フィルターが別途必要になる。フィルター径の情報がまだ確認できていないため、発売後に確認したい。
LX9 レビューとの比較は別記事で
higashisa.com ではLX9 のレビューもある。L10 は LX9 の後継というよりは「LX100 の思想の現代版」という位置づけだが、スペック比較は実機情報が揃った段階で改めて書く予定だ。
おわりに
LX100 を使い始めた当時、「これ以上のコンデジはしばらく出ないだろう」と思っていた。それから 10 年近く経って、ようやく「次」が来た。
私自身は現時点で購入を予定していない。価格帯が変わり、私の使い方(沖縄での日常スナップ)に対して過剰なスペックになっているからだ。ただ、スペックを見る限り LX100 が苦手だったことをほぼ克服しているのは間違いない。海外で「my forever camera」という言葉が出ているのも、LX100 に同じ言葉を使っていた私には理解できる。
国内価格・発売日が正式に出たらこのページを更新します。
