ミラーレスの寿命は何年?趣味の用途なら10年は見込めます

9 min
ミラーレスの寿命は何年?趣味の用途なら10年は見込めます

「ミラーレスの寿命は何年か」を調べると、6〜8年あたりの数字が並びます。そして多くのページが、最後は「寿命が来たら売りましょう」で終わります。

知りたいのは逆のことだと思います。いま持っている(あるいはこれから買う)1台が、あと何年使えるのか。

先に結論を書きます。趣味で写真と動画を撮るだけなら、いまのミラーレスは10年を見込めます。そして20年で、壊れたことを理由に買い替えたカメラは1台だけでした。

目次

結論:物理的な寿命と、気持ちの寿命は別物

  1. 物理的な寿命は、趣味の使い方ではまず来ません。シャッターの耐久回数は数万〜数十万回。年に数千枚のペースでは、まず届かない数字です。
  2. 先に来るのは「型番が進化した」という気持ちのほうです。私が長く使った3台も、壊れたから替えたわけではありませんでした。ただし20年で1台だけ、故障で買い替えた例外があります(後述)。
  3. ただし趣味の用途なら、その気持ちに急かされる必要もありません。世代が上がってできることが増えても、いま撮っている写真そのものが古びるわけではないからです。

以下、物理のほうから順に分解します。

ミラーレスは一眼レフより長持ちするのか|半分は本当

「ミラーがないぶん壊れにくい」とよく言われます。メーカーの公表値を並べてみると、これは半分だけ正しい話でした。

当たっている部分1:ミラーを動かす機構がない

一眼レフは、シャッターを切るたびにミラーを跳ね上げます。ミラーレスにはこの可動部がありません。動く部品が1つ少ないのは事実です。

当たっている部分2:電子シャッターなら摩耗がゼロになる

寿命という点では、こちらの効き方のほうが大きいと思います。電子シャッターは物理的な可動部を使わないので、原理上すり減りません。メカシャッター(幕を物理的に開閉する方式)を動かさずに撮れる、という逃げ道が使えるわけです。

ただし電子シャッターは、蛍光灯などの光源で縞が出たり、動く被写体が歪んだりします。常用するものではなく、使い分けるものです。

外れている部分:「ミラーレスだからシャッターが強い」わけではない

ここが誤解されやすいところです。シャッターユニットそのものの耐久回数は、ミラーレスだから桁違いに強い、という関係にはなっていません。ただしメーカーによって傾向が分かれます。

メーカー一眼レフの公表値ミラーレスの公表値
ニコン(上位)D850:20万回Z7:20万回
ニコン(下位)D7500:15万回Z50:10万回
キヤノン(上位)5D Mark IV:15万回R5:50万回
キヤノン(中級)90D:12万回R6:30万回

ニコンは同格どうしでほぼ同水準。一方キヤノンは公表値の上でミラーレスのほうが明確に高いという結果でした。「ミラーがないから長持ち」という一括りの説明は、少なくとも公表値からは出てきません。メーカーと世代で見るしかない、というのが実際のところです。

耐久回数は「保証値」ではなく「試験値」

もう1つ知っておくと気が楽になる話があります。ニコンは自社の耐久回数を、シャッターユニットをカメラに実装した状態でのレリーズテストにクリアした回数と説明しています。その回数で壊れる、という保証値ではありません。テストを通った実績の数字です。

公表していないメーカー・機種も多くあります。キヤノンやニコンのエントリークラスは、そもそも耐久回数を公表していません。数字が出ていないから弱い、という話でもありません。

代わりにミラーレスが抱えた消耗:電子部品の稼働時間

公平に書くと、ミラーレスは可動部が減った代わりに、電子部品の稼働が増えています。撮影中はセンサーを動かし続け、背面モニタやEVF(電子ビューファインダー)にも表示を出し続ける構造だからです。発熱もしますし、表示素子にも寿命があります。

つまり「ミラーレスだから長寿命」ではなく、「摩耗を避ける手段が増えた代わりに、電子部品の消耗を抱えた」というのが正確なところです。とはいえ、どちらの要因も趣味の使用年数では表に出てきません。

自分の1台があと何年か|シャッター回数から逆算する(と、その限界)

ここまでの数字を、撮影ペース別に置き換えてみます。年3,000枚は月に250枚。家族の行事と旅行を撮る人なら、このあたりが目安になると思います。ご自分の枚数に近い行で読んでください。

耐久回数年1,000枚なら年3,000枚なら年10,000枚なら
10万回100年約33年10年
15万回150年50年15年
20万回200年約66年20年
50万回500年約166年50年

公表値のいちばん低い10万回の機種でも、年3,000枚なら計算上は33年です。趣味のペースは、シャッターの物理的な寿命が先に来る使い方ではありません。年1万枚を超えて撮る人——つまり仕事で使う人——になって、はじめて現実的な数字になります。

ただし、自分のシャッター回数は簡単には分からない

この逆算には落とし穴があります。自分のカメラが何回切ったかを調べる手段が、メーカーによっては用意されていません。

  • ソニー:シャッター回数がExifに記録されない機種があり、Web上のツールでは取得できないことが多い。確実に知るには修理窓口で診断してもらう
  • キヤノン:EOS R系を含め、公式の確認手段は提供されていない。Exif解析ソフトや専門店の検査に頼ることになる
  • ニコン:Exifに記録されており、解析ツールで確認しやすい

私が使っているのはソニーとキヤノンなので、正直なところ、自分の機体の回数を把握していません。だから私は回数を数えるのをやめて、年数と保管で見るようにしました。調べられない数字を寿命の物差しにしても、判断の役に立たないからです。

私が長く使った3台(LX100は5年、α6700は3年目)

数字の話が続いたので、自分の実績を出します。手元で長く使った3台です。

機種使った期間手放した・替えた理由
LUMIX LX1005年故障ではない
Canon EOS RP1年以上故障ではない(重さでAPS-Cへ)
SONY α67003年目現役。買い替え予定なし

3台とも、本体が使えなくなって買い替えたわけではありません。LX100は5年つきあいましたが、壊れて手放したわけではない。EOS RPを手放したのは重さの問題で、性能に不満が出たからではありませんでした(フルサイズとAPS-Cの比較に、システム総重量を実数で並べました)。LX100と5年つきあった話はLX100の後継機に思うことのほうに書きました。

正直に書いておくと、私自身、10年使い切った1台をまだ持っていません。ここで10年と書いているのは、耐久回数からの逆算と、5年使ったLX100が手放す時点でも問題なく動いていたことを重ねた見込みです。実績で「10年もった」と言えるようになるのは、これからです。

そのうえで言えるのは、私の場合、寿命より先に気持ちのほうが動いていたということです。これは私が飽きっぽいという話ではなく、カメラという道具の側にそういう性質があるからだと思っています。

例外が1台だけある|LUMIX G7は4年でシャッターが押せなくなった

ここまで「壊れない」という方向で書いてきたので、都合の悪い例外も出しておきます。LUMIX G7は、4年ほど使ったところでシャッターが押せなくなりました。20年カメラを使ってきて、故障が買い替えの理由になったのはこの1台です。つまり10年どころか、4年で終わった機体が実際にあります。

正直に書くと、これが耐久回数に達したことによる摩耗なのか、単に個体が壊れたのかは分かりません。前述のとおり、私は自分のシャッター回数を把握していないからです。ただ、この1台があるので「ミラーレスは絶対に壊れない」とは書けません。確率の話として、趣味のペースなら物理的な寿命は先に来にくい。ただしゼロではない。これが20年ぶんの正直な結論です。

そのとき効いたのは「直す価値が残っているか」だった

G7が壊れたとき、修理は検討しました。結論は買い替えです。すでに古い機種になっていて、直すより買い替えるほうがコスト的に良かったからです。

ここに、寿命の実態が出ていると思っています。修理費は、機種が古くなっても安くなりません。一方で、同じくらいの性能を持つ中古機の値段は下がっていく。だから年数が経つほど天秤は「直すより買う」に傾きます。

つまりカメラの寿命を決めているのは「壊れるかどうか」ではなく「直す価値が残っているか」です。物理的にはまだ直せるのに、経済的に見合わなくなった時点で寿命として扱われる。部品保有期間が切れる前から、実質的にはこの線引きのほうが先に来ます。

買い替えの本当の理由は「型番が進化すること」

世代が上がるたびに、できることは確実に増えます。オートフォーカスの精度、手ブレ補正の段数、高画素への対応、Log撮影。ここ数世代でも順当に伸びています。

問題は、その進化に追いつかないと自分の写真や動画が時代遅れになるのか、という点です。私の実感では、時代遅れにはなりません。新しい機能が必要になるのは、たいてい「その機能がないと納品できない」ときです。趣味には、その締切がありません。だから機能が1世代・2世代古くても、撮ること自体は止まらない。

それでも私は何度も乗り換えた。そして毎回レンズで損をした

偉そうに書いていますが、私自身はメーカーを何度も乗り換えてきました。ニコン、キヤノン、ソニー、富士フイルム、パナソニック。理屈では「まだ使える」と分かっていても、新しい世代の魅力に負けた回のほうが多いです。

そして乗り換えるたびに、手持ちのレンズを売る必要がありました。マウントが変わればレンズは使えないからです。買い替えで本当に痛いのはボディの値段ではなく、この乗り換えコストのほうでした。

そこから学んだのは、値落ちしにくい定番レンズを選んでおけば、マウントを変えてもレンズ資産はほとんど死なないということです。人気の明るい単焦点や評価の定まったレンズは中古相場が安定していて、売るときも値が残ります。この話はミラーレスで後悔する8つの落とし穴の8番に詳しく書きました。

「寿命が来たら売る」は順序が逆|売り時は気持ちで決まる

寿命を調べていると、「寿命が近づいたら売りましょう」という案内によく行き当たります。ここまで書いてきたとおり、趣味の使い方では物理的な寿命が来ないので、この順序は成り立ちません。

実際に売り時を決めているのは、寿命ではなく気持ちのほうです。新しい世代が欲しくなったとき、あるいは自分の撮り方が変わったとき。私の場合はどちらもそうでした。

だから私は、こう分けて考えています。ボディは壊れるまで使う。守るのはレンズのほう。ボディは世代が上がるほど値が落ちますが、定番レンズの相場は落ちにくい。売って損をしないための備えは、売るときではなく買うときに終わっています。実際にいくらで売れるのかはカメラ買取の相場の考え方に、売った価格を出して書きました。

進化のスピードは、この10年で緩やかになったと感じています

ここからは数字の話ではありません。20年撮ってきた私の範囲での実感として読んでください。

20年前から10年前にかけての進化と、10年前から今の進化を比べると、後者のほうがずっと緩やかだと感じます。理由は、オートフォーカスも手ブレ補正もレンズの性能も、ある水準まで来てしまったからです。伸びしろのある場所が減れば、世代交代のインパクトも小さくなります。

10年前のカメラと今のカメラの差は、もちろん大きい。ただその差は「撮れる/撮れない」ではなく「楽になった」の差ではないか、というのが私の感覚です。昔は撮れなかったものが撮れるようになったのは、10年よりもう少し前の時期だったと思います。

反対の見方もあり得ます。動物の瞳AFが普及したのはここ数年ですし、動画まわりは今も動いています。「この10年こそ大きく動いた」と言う人もいるはずです。私の見立ては、その動きが「無いと困る」ところまでは来ていない、という趣旨だと受け取ってください。

そのうえで今後は、AIの採用によって世代差が出てくると考えています。被写体認識や現像の自動化は、これまでの「段数が増えた」「画素が増えた」とは種類の違う差になりそうです。ここが次の分かれ目だと見ています。

10年使える条件は、年間の撮影枚数と湿度の管理

ここまでをまとめると、10年を見込めるのは次の条件が揃う場合です。

見るところ10年を見込める買い替えが早く来る
用途趣味の写真・動画納品のある仕事・商業撮影
撮る量年に数千枚まで年1万枚以上
求めるもの撮れれば足りる最新のAF・高画素・Logが要件になる
保管湿度を管理している棚やカバンに入れっぱなし

バッテリーは劣化しますが、交換式なので本体の寿命を決める要因にはなりません。数年で持ちが落ちてきたら買い足せば済みます。

修理が受けられる期間は、生産終了からおおむね5〜8年

カレンダーで計算できる期限が1つだけあります。メーカーが補修用の部品を持っている期間です。

  • ソニー:生産終了から7年(公式に明記)
  • キヤノン:販売終了からカメラで約5年、レンズで約7年が目安
  • ニコン:保有期間をカタログ等に明記していない

ただし修理が受けられなくなることと、動かなくなることは別です。期間が切れても、動いている個体はそのまま撮れます。その先は「壊れたら終わり」という前提に切り替わるだけです。10年使うつもりなら、後半の数年はこの状態になると思っておけば外しません。

10年使うために効くのは、実は保管|私は防湿庫を使っています

シャッター回数を気にするより、こちらのほうがずっと現実的な問題です。保管の仕方によっては、ゴミの混入やカビが起きます。私は防湿庫に入れて保管しています。ここは横着しないほうがいい。

カビが怖いのは、写りに直接出るうえに、一度出ると厄介だからです。中古で買ったレンズが3ヶ月ほどでカビたことがあります。おそらく一度は除去された個体で、芯が残っていたのだと思います。推測ではありますが、「カビ除去済み」は「もう生えない」という意味ではないというのが、そのときの受け止めです。

買うときも、持ち続けるときも、敵は同じでした。中古を買うときの見方はミラーレスで後悔する8つの落とし穴の7番に書いています。

ミラーレスの寿命に関するよくある質問

Q1. ミラーレスの寿命は何年ですか?

趣味の用途なら10年を見込めます。公表値がいちばん低い10万回の機種でも、年3,000枚のペースなら計算上は33年です。私自身、LX100は5年、α6700は3年目まで使っていますが、いずれも壊れて買い替えたわけではありません。ただしLUMIX G7は4年でシャッターが壊れました。10年はあくまで見込みで、保証ではありません。

Q2. 自分のシャッター回数はどこで確認できますか?

メーカーによります。ニコンはExifに記録されていて解析ツールで確認しやすい一方、ソニーは記録されない機種があり、キヤノンは公式の確認手段を提供していません。確実に知りたければ修理窓口で診断してもらうことになります。調べにくいのが実情なので、回数より年数と保管で判断するほうが現実的です。

Q3. ミラーレスは一眼レフより長持ちしますか?

半分は本当です。ミラーを動かす機構がなく、電子シャッターを使えば摩耗を避けられます。ただしシャッターの耐久回数はメーカーで傾向が分かれ、ニコンは同格どうしでほぼ同水準、キヤノンは公表値の上でミラーレスのほうが高くなっています。「ミラーレスだから」で決まる話ではありません。

Q4. 修理できなくなった機種は売ったほうがいいですか?

動いているなら、売る理由にはならないと思います。修理不可と故障は別です。売り時を決めるのは寿命ではなく「新しい世代が欲しくなったかどうか」なので、欲しくなっていないなら持っていて構いません。売るときに損をしないための備えは、値落ちしにくいレンズを選ぶという形で、買うときに済ませておくものです。

Q5. 修理と買い替えは、どちらが得ですか?

年数が経つほど買い替えに傾きます。修理費は機種が古くなっても安くなりませんが、同じくらいの性能の中古機の値段は下がっていくからです。私もLUMIX G7のシャッターが壊れたとき修理を検討しましたが、すでに古い機種だったので買い替えました。判断のしかたは単純で、修理の見積もりと、同等機の中古価格を並べる。それだけで、たいてい答えは出ます。

Q6. 10年前のミラーレスでも今から使えますか?

撮ること自体は問題なく使えます。最新機と比べればAFや手ブレ補正で楽をしにくい場面はありますが、それは「撮れない」ではなく「手間が増える」の差です。納品の締切がない趣味なら、その差が決定打になることはないと思います。ただし部品保有期間は切れている可能性が高いので、壊れたら修理はできないと考えておいてください。

Q7. 防湿庫は必要ですか?乾燥剤ではだめですか?

機材が増えてきたら防湿庫が確実です。私は防湿庫を使っています。乾燥剤とドライボックスでも湿度は下げられますが、交換を忘れると効果が切れるのが弱点です。カビは一度生えると厄介なので、忘れても勝手に効き続ける仕組みのほうが結局は安上がりだと考えています。

まとめ:寿命を気にするより、保管を整えるほうが効きます

  • 趣味の用途なら、いまのミラーレスは10年を見込めます。公表値の下限10万回でも、年3,000枚なら計算上33年です。ただし私の手元では、4年で壊れた1台もありました。保証ではなく見込みです。
  • 「ミラーレスだから長寿命」は半分だけ本当です。ミラー機構がなく電子シャッターで摩耗を避けられる一方、耐久回数の傾向はメーカーで分かれます。
  • シャッター回数は、ソニーやキヤノンでは簡単に確認できません。回数より年数と保管で見るほうが現実的です。
  • 先に来るのは型番の進化です。ただし趣味なら、それで写真が時代遅れになることはありません。
  • 売り時を決めるのは寿命ではなく気持ちです。損をしない備えは、値落ちしにくいレンズを選ぶ形で買うときに終わっています。
  • 実際に効くのは保管です。カビとゴミのほうが、シャッター回数よりずっと現実的な敵でした。
  • 寿命を決めるのは「壊れるかどうか」より「直す価値が残っているか」です。修理費は下がらず、代替の中古価格は下がるからです。

買い替えを迷っているなら、まず「いま何が足りないか」を1行で書いてみてください。書けないうちは、たいてい買い替えても不満の場所が変わるだけです。

関連記事

関連記事

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です