フルサイズとAPS-C、どっちを選ぶべきか。カメラ選びで最初にぶつかる分かれ道です。
私はフルサイズのEOS RPとEOS R6を使ったうえで、今はAPS-CのSONY α6700に戻して3年目です。その前もメーカーをいくつも渡り歩いてきました。
そのうえで正直に書くと、「フルサイズでなければ撮れなかった」という場面は、私には一度もありませんでした。プリントしたときにセンサーサイズの差を感じたこともありません。
これはフルサイズを否定する話ではありません。理屈のうえでフルサイズが有利な領域は確かにあります。ただ、その有利さが「無いと困る」に変わる場面が、私の撮影範囲では現れなかった、という事実の報告です。以下、その理由を数字で分解します。
目次
結論:どっちを選ぶかを分ける条件
迷っている時点でAPS-Cで十分というのが私の結論です。そのうえで、フルサイズを検討する価値があるのは次の条件に当てはまる人です。
- 暗い場所で撮る回数が多い:ISOを上げざるを得ない場面が「たまに」ではなく「毎回」の人。後述する画素ピッチの差がノイズの差として出ます。
- 背景を大きくボカした写真が中心にある:ポートレートを本気で撮る人。APS-Cでもボケますが、同じ画角・同じ立ち位置での溶け方は違います。
- ボディとレンズの合計予算と、重さを許容できる:フルサイズはレンズも大きく重く高くなります。総重量と総額の両方を受け入れられるかが実質的な分岐点です。
ただし1と2について、私自身は「APS-Cでは無理だった」と言える場面に当たっていません。家族・旅行・子どもの行事・猫という被写体の範囲では、有利不利はあっても不可能にはならなかった、ということです。自分の撮影がこの範囲に収まるなら、条件3だけで判断して構いません。
すでにAPS-Cを使っていて「ここで1段足りない」と自分の言葉で説明できるなら、それが最も確実なサインです。逆に言葉にできないうちは、買い替えても不満の場所が変わるだけになりがちです。
フルサイズとAPS-Cの違いを6項目で比較(画質・ボケ・重さ)
まず事実の確認から。フルサイズ(表記によってはAPSCと並べて書かれることもあります)は35mmフィルムと同じ36mm×24mm、APS-Cはメーカーによって約23.5mm×15.6mm(SONY・Nikon・FUJIFILM)または約22.3mm×14.9mm(Canon)です。APS-Cは規格の呼び名で実寸に機種差があり、たとえばα6700の公表値は23.3mm×15.5mmです。
| 項目 | フルサイズ | APS-C |
|---|---|---|
| センサー実寸 | 36×24mm(864mm²) | 約23.5×15.6mm(約367mm²) |
| 受光面積の比 | 1 | 約2.4分の1(Canonは約2.6分の1) |
| 画角 | レンズの表記どおり | 約1.5倍相当(Canonは約1.6倍) |
| ボケ量 | 同じ画角・同じ距離なら大きい | 控えめ。明るいレンズで補える |
| 高感度(画質のノイズ面) | 有利 | 理論上おおむね1段強の差 |
| 本体・レンズ | 大きく重く高い | 小さく軽く安い |
高感度の「1段強」は、受光面積の比(864÷366.6=2.36倍)から計算した理論値です。実際にはセンサー世代や画像処理の差のほうが大きく効くので、世代の新しいAPS-Cと世代の古いフルサイズなら逆転することもあります。カタログの数字だけで決められない部分です。
APS-Cを選ぶ判断を分けた3つの基準

基準1:持ち出せなかった日は、画質がゼロになる
EOS RPは軽いフルサイズとして評判どおり良いカメラでしたし、EOS R6も不足を感じる機種ではありませんでした。それでも、家族の荷物と一緒に一日持ち歩く場面では、レンズを含めた総重量がじわじわ効いてきます。
そして持ち出さなかった日の写真は、当然ながら1枚も残りません。センサーが2.4倍大きくても、カバンに入っていなければ差は出ない。この当たり前のことが、私にとっては一番大きな判断材料でした。
基準2:ボディ単体ではなく「システム全体」で比べる
比較すべきはボディ単体ではなく、レンズを付けた状態です。私が今使っているのはSigma 18-50mm F2.8 DC DN(普段用)とTamron 18-300mm F/3.5-6.3 Di III-A VC VXD(運動会などの望遠用)の2本。どちらもAPS-C専用で、フルサイズで同じ役割のレンズを揃えるより軽く、安く済みます。
特にSONY Eマウントは、SigmaとTamronがAPS-C向けに力を入れている点が効きます。「安いから妥協する」のではなく「軽くて写るものが普通に選べる」状態です。
実際に公表値で並べてみると、思っていたのと違う結果になりました。ボディ単体では、フルサイズのEOS RPのほうが軽いのです。
| 組み合わせ | 内訳 | 合計 |
|---|---|---|
| EOS RP ボディのみ | 485g | 485g |
| α6700 ボディのみ | 493g | 493g |
| α6700+Sigma 18-50mm F2.8 | 493+290g | 783g |
| EOS RP+RF24-105mm F4-7.1 | 485+395g | 880g |
| EOS RP+RF24-70mm F2.8L | 485+900g | 1,385g |
| α6700+Tamron 18-300mm | 493+620g | 1,113g |
質量はいずれもメーカー公表値(ボディはバッテリーとカードを含む値)です。EOS RPは発売当時「フルサイズEOS史上最小・最軽量」を掲げた機種なので、ボディだけを見ると、私が今使っているα6700より8g軽い。つまりボディ単体の比較では、フルサイズだから重いという話にはなりません。
差が出るのはレンズです。私が普段つけているSigma 18-50mm F2.8と同じ「F2.8通しの標準ズーム」をRFで揃えると、RF24-70mm F2.8Lで900g。システム合計で 783g 対 1,385g、その差は約600gになります。500mlのペットボトルより重いものが、常にカバンの中で増える計算です。
もちろん、軽いキットズーム側で揃えれば差は縮みます。RF24-105mm F4-7.1なら合計880gで、差は97gしかない。ただしこのレンズは望遠側でF7.1まで暗くなります。つまりフルサイズを軽く持つには、レンズの明るさを譲ることになる。ボケや暗所のためにフルサイズを選んだのに、そこを譲ってしまうと何のために重い側を選んだのか分からなくなります。私が総重量で考えるようになったのは、この行ったり来たりを一度やったからです。
基準3:常用できるISOの上限は、思ったより手前で足りる
私が自分の基準にしているのは、APS-CならISO3200まで、マイクロフォーサーズならISO1600までです。固定ルールではなく、それを超えるときは「ザラついても止めるほうを取る」と決めているだけの目安です。
この基準で足りるかどうかは、撮る場所で決まります。自分の撮影で「ISO3200を超える日が月に何回あるか」を数えてみてください。フルサイズの画素ピッチが効いてくるのはまさにその領域なので、数えてみて片手で足りるなら、その差のためにシステム全体を重くする価値は薄いはずです。私の場合、その回数が判断を変えるほど多くなることはありませんでした。
画質の差はどこで出るのか|プリントで効くのはセンサーサイズではない

プリントは長く続けている習慣です。日常のスナップはまとめてL判で出し、旅行はフォトブックにして、気に入った1枚はA3以上に引き伸ばす。そうやって紙にしてきて分かったことを書きます。
プリントした結果を見て「センサーサイズの差だ」と感じたことは一度もありません。紙の仕上がりを分けるのは、センサーサイズそのものではなく画素数・画素ピッチ・印刷品質の3つです。この3つに分解すると、なぜ差が出ないのかが数字で説明できます。
画素数:プリントサイズから必要量は計算できる
解像感を決めるのは画素数です。印刷の基準とされる300dpiで換算すると次のとおりです(1インチ=25.4mmで計算)。
| プリントサイズ | 300dpiに必要な画素数 | 200dpi相当なら |
|---|---|---|
| L判(89×127mm) | 約158万画素 | 約70万画素 |
| 2L判(127×178mm) | 約315万画素 | 約140万画素 |
| A4(210×297mm) | 約870万画素 | 約387万画素 |
| A3(297×420mm) | 約1740万画素 | 約774万画素 |
| A2(420×594mm) | 約3480万画素 | 約1547万画素 |
画素ピッチ:私が使った3台を実際に計算してみる
画素ピッチとは、1画素あたりの大きさです。センサーの横幅を、横方向の記録画素数で割れば出ます(α6700なら23.3mm÷6192=約3.76µm)。私が使ってきた3台で計算した結果がこちらです。
| 機種 | 規格 | センサー実寸 | 記録画素数 | 画素ピッチ |
|---|---|---|---|---|
| SONY α6700 | APS-C | 23.3×15.5mm | 6192×4128(約2560万) | 約3.76µm |
| Canon EOS RP | フルサイズ | 35.9×24.0mm | 6240×4160(約2600万) | 約5.75µm |
| Canon EOS R6 | フルサイズ | 35.9×23.9mm | 5472×3648(約2000万) | 約6.56µm |
ここが肝心なところです。α6700とEOS RPは、規格が違うのに画素数がほぼ同じ(約2560万と約2600万)です。解像感という一点に限れば、この2台で紙にして差が出にくいことは計算からも説明がつきます。もちろん階調やノイズ、レンズや現像、そして印刷側の差までが同じになるわけではありません。ここで言えるのは「センサーサイズが大きいから解像感で有利」という関係は成り立たない、ということです。
さらに言えば、EOS R6は約2000万画素で、APS-Cのα6700より画素数が少ない。A3を300dpiで刷るのに必要な約1740万画素に対して余裕が小さいのはR6のほうです。「フルサイズだから大きく刷れる」は成り立ちません。
ただしこの結論には条件があります。正確には「センサーサイズでは差が出ない」ではなく「画素数が同等なら、解像感では差が出ない」です。フルサイズでも3300万画素級の機種と比べるなら、A2以上の大きなサイズでは差が出る余地があります。自分が比べようとしている2台の画素数を、規格より先に見てください。
では規格の違いはどこに出るのか。画素ピッチです。EOS RPの1画素はα6700の約1.5倍の幅があり、面積では約2.3倍。R6なら約3.0倍です。この差は暗い場所でISOを上げたときのノイズ耐性に効きます。逆に言えば、ISOを上げずに済む明るさで撮っている限り、この差は紙に出てきません。私がプリントで違いを感じなかった理由も、ここで説明がつきます。
印刷品質:同じデータでも仕上がりは業者で変わる
3つ目が印刷側です。同じデータを出しても、業者・用紙・印画方式で仕上がりは変わります。私が用途で3社を使い分けているのもこのためで、コスパならしまうまプリント、品質を優先するならアオヤギ写真工芸社、A3以上の大判はカメラのキタムラという分け方をしています。
実感として、カメラをAPS-Cからフルサイズに変えるより、プリントを出す業者を変えるほうが仕上がりへの影響は大きいと感じています。センサーサイズで悩んでいる時間があるなら、同じ写真を2社に出して見比べたほうが早いかもしれません。各社の比較はネットプリントおすすめ比較に、A3以上は大判写真プリントの比較にまとめています。
フルサイズ換算とは?APS-Cで1.5倍になる理由とレンズの互換性
違いの次に多い疑問がレンズの組み合わせです。同じマウントであれば、基本的に次のようになります。
- APS-Cボディにフルサイズ用レンズ:問題なく使えます。画角がAPS-C基準になるだけです。ただしレンズが大きく重いままなので、APS-Cの軽さという利点は消えます。
- フルサイズボディにAPS-C用レンズ:多くの機種で自動的にクロップ(APS-Cサイズで切り出し)され、記録画素数が落ちます。使えないわけではありませんが、フルサイズを買った意味は半減します。
- マウントが違う場合:SONY EマウントのレンズをCanon RFボディに、といった組み合わせは基本的に不可です。ここが後述する乗り換えコストの話につながります。
「1.5倍換算」は、レンズの焦点距離が変わるという意味ではありません。センサーが小さい分、写る範囲が中央に切り取られるので、結果としてフルサイズの1.5倍の焦点距離のレンズと同じ画角になる、ということです。50mmのレンズはAPS-Cでも50mmのままで、写る範囲が75mm相当になります。Canonのみ約1.6倍です。
この性質は望遠側で効きます。私がTamron 18-300mmを運動会で使うのも、APS-Cなら換算で450mm相当まで届き、フルサイズで同じ画角を得るより軽く済むからです。トリミングと似た結果になりますが、撮影時点で画面いっぱいに写せるぶん画素を無駄にしません。
メーカー別に見た、フルサイズとAPS-Cの関係
どちらを選ぶかは、メーカーによって前提が変わります。私が実際にマウントを渡り歩いた範囲で整理します。
| メーカー | マウント | この二択での前提 |
|---|---|---|
| SONY | Eマウント(共通) | フルサイズ用(FE)とAPS-C用(E)が同じマウント。ボディを乗り換えてもレンズが残りやすい。SigmaとTamronのAPS-C向けレンズが選べる |
| Canon | RFマウント(共通) | APS-C機にはRF-Sレンズ。換算は約1.6倍とわずかに大きい |
| Nikon | Zマウント(共通) | APS-C機は「DXフォーマット」と呼ばれ、レンズもDX表記で区別される |
| FUJIFILM | Xマウント | フルサイズ機を作っていない。上位はGFXシリーズの中判なので、そもそもこの二択が発生しない |
| Panasonic / OM SYSTEM | マイクロフォーサーズ ほか | APS-Cより小さい規格が主軸。Panasonicはこれとは別にLマウントでフルサイズも展開 |
FUJIFILMを検討している場合、「APS-Cで妥協するか」という問いの立て方自体が成立しません。同社はAPS-Cを主力として設計しているので、比べる相手は他社のフルサイズになります。
マウントを変えるとき、損を最小にする考え方
APS-Cかフルサイズかを迷う人の多くは、内心「後でフルサイズに移りたくなったらどうしよう」と思っています。私はNikon F、Canon EF・RF、Sony A・E、FUJIFILM X、マイクロフォーサーズとマウントを変えてきて、そのたびにレンズを売ってきました。何度も損をしています。
その経験から言えるのは、値落ちしにくいレンズを選んでおけば、マウントを変えてもレンズ資産はほとんど死なないということです。評価の定まった定番レンズや人気の明るい単焦点は中古相場が安定していて、売るときも値が残ります。逆に、安さだけで選んだレンズや不人気のズームは値落ちが大きく、乗り換えのたびに損が膨らみます。
将来メーカーを変える可能性が少しでもあるなら、最初から「売るときに値が残るレンズ」を選んでおく。これがAPS-Cから始めることの実質的なリスクヘッジになります。ボディは消耗品、レンズは資産、という感覚です。買い替えのときの売り方はカメラ買取サイトの比較にまとめています。
APS-Cより小さい規格という選択肢
二択の外にも選択肢はあります。要点だけ書きます。
- マイクロフォーサーズ(17.3×13mm・フルサイズの約4分の1):望遠と超広角が小さく軽くまとまります。私もLUMIX G7とG99を使ってきましたが、子どもの行事やサーフィンの撮影で超広角から望遠まで必要になる場面では、システム全体が軽く収まる利点が効きました。弱点は暗所で、私の基準では常用ISOの上限は1600です。参考:LUMIX G99 レビュー
- 1型(13.2×8.8mm・フルサイズの約7分の1):高級コンデジの主戦場です。私はRX100シリーズやLUMIX LX9を使ってきましたが、一眼を持ち出さない日にポケットに入っているという一点で代えがききません。普段の9割はスマホで撮る私にとっては、そのすき間を埋める位置づけでした。参考:コンデジ比較【実機レビュー】
タイプ別・フルサイズとAPS-Cのどっちを選ぶか
| こういう人 | おすすめ | 理由 |
|---|---|---|
| これから始める/迷っている | APS-C | 不満が言葉になってから移れば無駄が出ない |
| 子どもと旅行の記録が中心 | APS-C | 持ち出せる重さが撮影枚数を決める |
| 運動会・野鳥・飛行機 | APS-C | 画角が約1.5倍相当になり、同じレンズでより大きく写せる |
| 室内スポーツ・夜景・星空が中心 | フルサイズ | 画素ピッチの差がノイズ耐性の差として効く領域 |
| ポートレートが作品の中心 | フルサイズ | 同じ画角・距離でのボケの質が違う |
| とにかく身軽に、毎日持ちたい | 1型コンデジ | ポケットに入ることが最優先の条件になる |
下2行のフルサイズ推奨は、画素ピッチとボケ量という理屈から導いたものです。私自身はこの2つが撮影の中心ではないため、実際にフルサイズが必要になった経験はありません。もしあなたがこの2行に当てはまるなら、私の経験は当てにしないでください。この記事が答えられるのは「規格をどちらにするか」までで、その先の機種選びは別の話です。私の場合は「家族と旅行」「子どもの行事」「猫」が中心で、規格ではなくα6700という機種を選んだ理由はこの規格の結論を具体的な機種に落とした話はSony α6700 レビューに、フルサイズ側の感触はEOS RP レビューに書いています。機種そのものを比べたい場合はミラーレス一眼カメラおすすめが入口です。
よくある質問
フルサイズとAPS-C、初心者はどっちを選ぶべきですか?
ほぼ全ての初心者にAPS-Cをおすすめします。フルサイズはボディだけでなくレンズも大きく重く高くなり、システム全体の総額と総重量で差が開きます。プリント・SNS・フォトブック用途であれば実用上の差はほとんど出ません。「フルサイズが欲しくなった」と自分の言葉で説明できるようになってから買い替えるのが、最も無駄のない順序です。
APS-Cにフルサイズ用のレンズは使えますか?
同じマウントであれば使えます。画角がAPS-C基準になるため、フルサイズ換算で約1.5倍(Canonは約1.6倍)の焦点距離として写ります。私もSONY Eマウントでこの組み合わせを使いますが、レンズの大きさと重さはフルサイズ用のままなので、APS-Cの軽さという利点は失われます。
フルサイズにAPS-C用レンズを付けるとどうなりますか?
多くの機種で自動的にAPS-Cサイズにクロップされ、記録される画素数が落ちます。撮影自体はできますが、フルサイズの受光面積を活かせないため、その組み合わせを常用するならAPS-Cボディを選んだほうが合理的です。
センサーが大きいほど暗所に強いのはなぜですか?
センサーが大きいと同じ画素数でも1画素あたりの受光面積が広くなり、少ない光でも多くの情報を取り込めるためです。フルサイズとAPS-Cの受光面積比は約2.4倍で、理論上はおおむね1段強の差になります。ただし実際にはセンサーの世代や画像処理の影響が大きく、新しいAPS-Cが古いフルサイズを上回ることもあります。
APS-CでもA3プリントに耐えられますか?
耐えられます。A3を300dpiで印刷するのに必要なのは約1740万画素で、α6700の約2560万画素なら余裕があります。むしろ私が使ったフルサイズのEOS R6は約2000万画素で、A3に対する余裕はα6700より小さい。それより大きいA2は300dpiだと約3480万画素が必要で、計算上は200dpi相当(約1547万画素)で足りる想定になりますが、私自身が出しているのはA3までの大判です。いずれにせよ解像感を決めるのは規格ではなく画素数です。
プリントするならフルサイズのほうがきれいですか?
私の経験では、プリントの仕上がりでセンサーサイズの差を感じたことはありません。紙の仕上がりに効くのは画素数(解像感)・画素ピッチ(暗所のノイズ耐性)・印刷品質(業者や用紙)で、センサーサイズが直接効くのは主に画素ピッチです。私が使ったα6700(APS-C・約2560万画素)とEOS RP(フルサイズ・約2600万画素)は画素数がほぼ同じで、私の撮り方の範囲では紙に差として現れませんでした。あくまで私の観察であって、すべての条件で差が出ないと言えるわけではありません。
Canonのフルサイズとaps-cの違いは何ですか?
CanonはRFマウントで両方を展開しており、APS-C機にはRF-Sレンズが用意されています。他社と違うのは換算倍率で、Canonだけ約1.6倍とわずかに大きくなります。もうひとつ知っておきたいのは画素数で、私が使ったフルサイズのEOS R6は約2000万画素、EOS RPは約2600万画素と、同じフルサイズでも差があります。「Canonのフルサイズだから高画素」とは限りません。
FUJIFILMにはフルサイズがないと聞きましたが本当ですか?
本当です。FUJIFILMはXマウントのAPS-Cを主力とし、その上はGFXシリーズの中判(ラージフォーマット)になります。フルサイズを作っていないため、同社を選ぶ場合は「APS-Cか中判か」あるいは「他社のフルサイズと比べるか」という問いに変わります。私はX-Pro2やX70を使ってきましたが、APS-Cであることが不足に感じられる設計にはなっていません。
後からフルサイズに移りたくなったら、買い直しになりますか?
APS-C専用レンズはフルサイズで本来の性能を発揮できないため、実質的には買い替えになります。ただし値落ちしにくい定番レンズを選んでおけば、売却額でかなりの部分を回収できます。私自身が何度もマウントを変えて学んだのはこの点で、将来の乗り換えが視野にあるならレンズ選びの段階で中古相場が安定しているものを選んでおくのが現実的な備えです。
撮ったあとの話:写真をどう残すか
ここからはカメラを買ったあとの話です。ここまで書いてきたとおり、規格の差より出力の差のほうが結果に効きます。センサーサイズを比べる時間より、撮った写真を形にする時間のほうが、後から振り返ったときの価値は大きい。フォトブックにまとめる場合の使い分けはフォトブックおすすめ比較に書いています。
