Nikon COOLPIX P900は、光学83倍ズームという異次元のスペックを持つレンズ一体型カメラです。
最初に断っておくと、P900は写真のクオリティを追求するカメラではありません。1/2.3型センサーなので高感度もボケも弱い。RAW撮影にも対応していません。万能カメラとして使うのはおすすめできない。
しかし、24mm〜2000mm相当の超望遠は全てのデメリットを忘れさせてくれるほど面白い。嘉手納基地の撮影でも北谷のサーフィン撮影でも、P900でしか撮れない写真があります。
目次
光学83倍ズームの実力|嘉手納基地で検証
嘉手納道の駅から嘉手納基地の滑走路を撮影しました。広角端24mmから望遠端2000mm、さらに電子ズーム4000mm相当までの変化です。
24mm 広角端 → 2000mm 望遠端 → 4000mm相当 電子ズーム
広角端と望遠端を比較すると、同じ場所で撮影したとは思えません。肉眼で捉えることのできない被写体まで撮影できます。飛行訓練中のF-22も手持ちで撮影できました。
2000mm相当では大気の揺らぎ(シーリング)の影響で画質は落ちますが、実売7万円前後で光学83倍が手に入ると考えれば十分な性能です。
サーフィン撮影で分かったP900の実力
北谷町砂辺でサーフィン撮影に使ってみて、P900が「神機」だと確信しました。一眼レフに300mm+テレコンを付けて撮影していた頃と比べて、機材の負担が激減します。
何も考えずカメラを構えてPモードで撮るだけで、十分なサーフィン写真が撮れます。動画も撮影可能。サーフショップやガイドをしている方には全員おすすめしたいレベルです。
P900が「使える」7つの理由
1. 2000mmなのに恐ろしく軽い
一眼レフに400mm相当のレンズを付けるとかなりの荷物になりますが、P900は24-2000mm相当をボディ899gに収めています。海外サーフトリップや旅行にも連れていける。
2. 手ぶれ補正が強力
2000mmを手持ちで撮影できます。一眼レフなら300mmを超えると手ぶれが相当シビアになりますが、P900なら日中であればカメラ初心者でも超望遠を楽しめます。動画も手持ちでいけます。
3. バリアングル液晶
自撮りにも動画撮影にも使えるバリアングル液晶を搭載。サーフィン撮影では海面スレスレの位置から撮ることがありますが、バリアングルなら自分が濡れずに済みます。ただし液晶の精細さは低く、ピントの確認は難しい。
4. AFが意外に速い
超高倍率のわりにAFは速くて正確。暗所や動体には弱いですが、日中の屋外撮影なら十分実用的です。
5. Pモードで割り切れる
RAW撮影ができないので、設定で悩む必要がない。Pモードでカメラ任せに撮るだけ。一眼レフのように設定をいじったりRAW現像で後処理したりする手間がなく、撮影に集中できます。
6. USB給電対応
バッテリーを取り出して充電する必要がなく、USB接続するだけで給電+データ転送。旅行の荷物が減ります。
7. 光学83倍はとにかく楽しい
スペックの弱さも操作性の悪さも、24-2000mmという焦点距離の前では気にならなくなります。2000mmの世界を知ってしまったら、もう後戻りはできません。
P900の注意点
- 高感度に弱い(ISO200あたりからノイズ発生)
- 連写の書き込み時間が長く、数秒間操作不能になる
- ボタン操作が直感的でない
- RAW撮影に非対応
- ホットシューがない
- 室内撮影は被写体ブレを起こしやすい
作品撮りや仕事用には向きませんが、一眼レフのサブカメラ、旅行用、サーフィンや野鳥撮影の入門機としては唯一無二の選択肢です。
P900を含むコンパクトカメラの比較は「コンパクトカメラの選び方」にまとめています。
超望遠で手持ち撮影するコツ
2000mm相当になると、わずかなカメラの動きがブレとして出ます。手ぶれ補正は付いていますが、それだけでは限界があります。
有効な方法は「電子シャッターと高速連写の組み合わせ」です。連写した中から最もブレの少ない1枚を選ぶことで、手持ち撮影の成功率が上がります。シャッタースピードは望遠端でも最低1/1000秒を目安にすると、飛行機や鳥などの動体も止めやすくなります。
壁や柱に身体を預けて安定させる「壁ブレ防止」も効果的です。三脚を使える状況なら、2000mm以上での撮影はほぼブレなしで撮れます。
P900 おすすめ撮影設定とコツ
| シーン | おすすめ設定 | ポイント |
|---|---|---|
| 飛行機・軍用機(遠距離) | スポーツモード or Pモード / ISO200〜400 | 連写で撮って後からベストショットを選ぶ |
| サーフィン(動体) | スポーツモード / SS 1/1000秒以上 | 望遠端ではカメラブレが目立つ。IS強にする |
| 月・星(超望遠静物) | M or Av / 三脚固定 / ISO80〜200 | 電子ズームは使わず光学2000mm止まりにすると画質が上がる |
| 野鳥(枝止まり) | スポーツモード or 連写 / ISO400〜800 | 鳥が動き出す前にAFロックして待つ。羽の動きや体の揺れをブレなく止めるにはSS 1/800秒以上が目安 |
よくある質問(COOLPIX P900)
P900の光学83倍ズームはどれくらいの距離を撮れますか?
35mm換算2000mm相当なので、嘉手納基地の米軍機(滑走路から約1km先)を機体のロゴが読める大きさで撮影できます。月面のクレーターの輪郭、サーフィンの波乗りを岸から数百メートル先で撮る用途にも対応します。ただし1/2.3型センサーなのでA4以上に引き伸ばすとノイズが出るため、SNS投稿や記録用途に向いています。
P900を手持ちで使うコツはありますか?
4点を意識してください。①シャッタースピードを1/500秒以上に設定する(望遠端では特に重要)、②脇を締めてボディを両手で支える、③電子ズームは使わずに光学83倍の範囲内で撮る、④連写で数枚撮っておき後で選ぶ。内蔵の光学式手ぶれ補正は優秀ですが、2000mm端では限界があるため上記4点を組み合わせると歩留まりが上がります。
P900の後継機や代替機はありますか?
P900の後継がNikon P950(光学83倍・RAW対応・約2021年)、さらにP1000(光学125倍・4K動画)があります。ただしP1000は重量1.4kgで持ち歩きが大変なため、「光学83倍で十分」ならP950か中古P900が現実的です。中古P900は現在2〜3万円程度で流通しており、嘉手納基地や野鳥撮影の入門機として今でも使えます。
プリント・フォトブックに使える画質ですか?
L判・2L判であれば十分な画質です。センサーが1/2.3型(スマホと同サイズ)なので、A4以上の大伸ばしやフォトブックのメインページにはノイズが目立ちます。P900の写真は「遠くの被写体をトリミングなしで撮れる」という一点が強みで、その迫力をL判プリントにして記録写真として残す使い方が最も向いています。
P900・S9900で撮った写真をプリント・フォトブックにするなら
L判〜2L判プリントなら1枚11円から使えるネットプリントがおすすめです。5社を実発注して比較した結果はネットプリントおすすめ比較にまとめています。フォトブックにまとめるならフォトブック比較をどうぞ。
このカメラが向いている人・向いていない人
向いている人:野鳥・飛行機・スポーツなど遠くの被写体を大きく撮りたい。1台で広角から超望遠までカバーしたい。画質より「撮れること」を優先したい。
向いていない人:背景ボケのある写真を撮りたい(1/2.3型センサーのためボケにくい)。暗い場所での撮影が多い。RAW撮影して後から現像したい(非対応)。荷物を増やしたくない(重量880g)。
P900は「普通のカメラ」として使うと物足りない場面が多いですが、超望遠の一点突破として使うと唯一無二の体験ができるカメラです。嘉手納基地やサーフィン撮影など、距離がある被写体を撮り続けたい人には今でもおすすめできます。
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撮った写真、どう残していますか?
このカメラで撮り溜めた写真を、自分はネットプリントとフォトブックで形に残しています。スマホのカメラロールに入れたままにしておくと、数年後に「あのとき何枚撮ったっけ」となるので。
L判1枚11円以下で印刷できるネットプリントの比較はこちらにまとめています。1000枚以上プリントしてきた中で今も使い続けている5社を紹介しています。
単枚プリントのコスパを最優先するならどんどんプリント(L判11円・A4 220円)も選択肢です。まとめて注文するほど送料コストが分散されます。
写真をまとめてフォトブックにしたい場合はフォトブック比較も参考にしてください。100冊以上作ってきた中での使い分けを書いています。
