カメラのシャッター音を消す方法|電子シャッターの3つの落とし穴と対策【2026年】

6 min

子どもの音楽会で「カシャッ!」とシャッター音が響いて、周りの保護者から冷たい視線を浴びた。あの経験から、カメラの静音撮影を本気で調べるようになりました。

結論を先に書くと、ミラーレスカメラの電子シャッター(サイレントモード)を使えば完全無音で撮影できます。ただし落とし穴が3つある。それを知らずに使うと、歪んだ写真や縞模様の写真を量産することになります。

この記事では、設定方法だけでなく「電子シャッターのデメリットと具体的な対策」まで、α6700の実機で検証した内容を書いています。

サイレントモード(電子シャッター)とは

カメラの「サイレントモード」は、機械式シャッターの代わりに電子シャッターを使い、さらに操作音もオフにする機能です。

通常のカメラはシャッター幕が物理的に開閉するため音が出ます。電子シャッターはセンサーの読み取りだけで撮影するので、機械的な動きがゼロ。完全に無音です。

メカシャッター電子シャッター
シャッター音あり(カシャッ)完全無音
ローリングシャッター歪みほぼなし動体で発生
フリッカー出にくい蛍光灯・LED下で発生
フラッシュ使用可使用不可(多くの機種)
連写速度機種による高速連写可能

機種別サイレントモード完全対応早見表

「自分のカメラはサイレントモードに対応しているか?設定はどこ?」を素早く確認できるよう、主要機種をまとめました。

メーカー・機種サイレントモード名メニューパス主な制限おすすめ用途
Sony α6700サイレントモードMENU → 撮影 → シャッター/サイレント → 入フラッシュ不可・AFモーター音は残る発表会・静かな室内
Sony α7 IVサイレントモードMENU → 撮影 → シャッター/サイレント → 入高速動体はローリング歪みに注意ポートレート・静物
Sony α9 IIIサイレントモードMENU → 撮影 → シャッター/サイレント → 入積層型センサーでローリング歪みほぼゼロスポーツ・報道全般
Nikon ZfサイレントモードMENU → セットアップ → サイレントモード → ON通常CMOSで動体はやや歪み発表会・スナップ
Nikon Z9 / Z8サイレントモードMENU → セットアップ → サイレントモード → ON積層型センサーで実質制限なしあらゆる場面で使用可
Canon EOS R6 II電子シャッターMENU → 撮影 → シャッター方式 → 電子シャッター(操作音は別途「サイレント操作」で消す)フラッシュ不可・フリッカー注意発表会・インタビュー
Canon EOS R7 / R50電子シャッターMENU → 撮影 → シャッター方式 → 電子シャッターフラッシュ不可・高速動体は注意発表会・物撮り
富士フイルム X-T5電子シャッターMENU → 撮影設定 → シャッター方式 → 電子シャッターフリッカー低減機能あり・フラッシュ不可室内行事・スナップ
富士フイルム X-S20電子シャッターMENU → 撮影設定 → シャッター方式 → 電子シャッターフラッシュ不可発表会・旅行
Panasonic G9 II電子シャッターMENU → 撮影 → シャッタータイプ → 電子シャッターフラッシュ不可・動体注意発表会・風景
一眼レフ全般静音モード(Q)モードダイヤル/MENU → Q(Quiet)完全無音にはならない。ミラー・シャッター音は残る音を少し抑えたい場面のみ
iPhone(日本版)非対応法的規制により完全消音不可。Live Photosで音量減代替:ビデオ撮影中に静止画ボタン

ポイント:「積層型センサー」搭載機(Sony α9 III・Nikon Z9/Z8)は電子シャッターでも動体歪みがほぼ発生しないため、制限が実質なくなります。発表会専用ならエントリー機でも十分です。

シーン別おすすめシャッター設定

「場面によってどのシャッター方式を選ぶべきか」を一覧にしました。迷ったときの判断基準として使ってください。

撮影シーン推奨シャッター方式理由・注意点
子どもの発表会・音楽会電子シャッター(サイレントモード)静音必須。被写体の動きが少なく、ローリング歪みが出にくい
運動会・体育祭メカシャッター(または電子先幕)走る・跳ぶなど高速動体が多い。電子シャッターでは歪みが出やすい
自習室・図書館・静かな場所電子シャッター(サイレントモード)音が出せない環境。被写体が静止していれば問題なし
体育館・蛍光灯下の行事電子シャッター(フリッカー低減ON)またはメカシャッターフリッカーが出やすい環境。事前テスト撮影で縞が出るか確認する
屋外・自然光の中どちらでもOKフリッカー・フラッシュの問題がない。電子シャッターで連写速度アップを狙える
物撮り・料理・静物電子シャッター動体歪みの心配ゼロ。フラッシュを使う場合はメカシャッターに切り替える
ペット(動き回る)メカシャッター(積層型センサーなら電子でも可)予測できない動きが多い。一般的なCMOSは電子シャッターで歪みリスクあり
暗い室内・フラッシュ必要な場面メカシャッター電子シャッター使用中はフラッシュが使えない機種がほとんど

私の実際の運用:子どもの発表会は電子シャッター(α6700)、運動会はメカシャッターで連写、という使い分けに落ち着いています。

カメラ別サイレントモードの設定方法

Sony(α6700 / α7C II / α7 IV)

MENU → 撮影 → シャッター/サイレント → サイレントモード設定 → 入

「入」にすると、シャッター方式が自動的に電子シャッターに切り替わり、電子音もオフになります。α6700で普段使っている設定です。注意点として、絞りの駆動音とAFモーターの音は消えません。完全に無音にしたい場合はMFに切り替えるか、AF駆動音の小さいレンズを使う必要があります。

Nikon(Z9 / Z8 / Zf / Z6 III)

MENU → セットアップ → サイレントモード → ON

Z9/Z8は積層型センサーでローリングシャッター歪みが極めて小さく、スポーツ撮影でも電子シャッターが実用的です。Zfは通常のCMOSセンサーなので動体には注意。

Canon(EOS R6 II / R7 / R50)

MENU → 撮影 → 撮影機能の設定 → シャッター方式 → 電子シャッター

Canonは「サイレントモード」という名称ではなく、シャッター方式を電子に切り替える形式。操作音は別途「サイレント操作」メニューで消す必要があります。

富士フイルム(X-T5 / X-S20)

MENU → 撮影設定 → シャッター方式 → 電子シャッター

富士フイルムは電子シャッターのフリッカー対策(フリッカー低減)が搭載されている機種が多く、室内行事での使い勝手が良い。

iPhone(日本版の制限)

日本で販売されたiPhoneは、シャッター音を完全に消すことができません。盗撮防止の法的配慮によるものです。

音を小さくする方法:

  • Live Photosをオンにする:通常のシャッター音より小さい音に変わる
  • ビデオ撮影中に静止画を撮る:ビデオ録画ボタンを押した後、白い丸ボタンで静止画を撮ると無音
  • サードパーティの無音カメラアプリ:Microsoft Pixなど。ただし画質は純正カメラアプリに劣る

Android

Androidは機種・地域によって対応が異なります。Google PixelやGalaxyの多くは設定でシャッター音をオフにできます。マナーモードにすると消える機種もあり。取扱説明書で確認するのが確実です。

電子シャッターの3つの落とし穴

サイレントモードは便利ですが、仕組みを知らずに使うと失敗します。実際に僕が経験した、あるいは検証で確認した落とし穴が3つあります。

落とし穴1:ローリングシャッター歪み

電子シャッターはセンサーを上から下に順番に読み取ります。その間に被写体が動くと、写真が斜めに歪む。これがローリングシャッター歪みです。

発生しやすい場面:電車・車など高速で横切る被写体、ゴルフスイング、首を素早く振る動き

対策:

  • 子どもの発表会程度の動きなら問題ない。走り回る運動会はメカシャッターに切り替える
  • シャッタースピードを速くする(1/500秒以上)と歪みが軽減される
  • 積層型センサー搭載機(Sony α9 III、Nikon Z9/Z8)はローリングシャッター歪みがほぼゼロ

落とし穴2:フリッカー(縞模様)

体育館や講堂の蛍光灯・LED照明は、人間の目にはわからない速さで明滅しています。電子シャッターでこの環境を撮ると、写真に横縞の明暗ムラが出る。これがフリッカーです。

対策:

  • シャッタースピードを電源周波数に合わせる:関東(50Hz)→ 1/100秒, 1/50秒の倍数。関西(60Hz)→ 1/125秒, 1/60秒の倍数
  • フリッカーレス撮影機能を使う:Nikon Z9/Z8/Zf、Sony α1/α9 III、Canon R1/R3は電子シャッターでもフリッカーを自動補正
  • メカシャッターに切り替える:フリッカーが出たら素直にメカシャッターに戻す。少しの音よりも縞模様の写真のほうが後悔する

正直、子どもの行事の会場は蛍光灯が多いので、フリッカーは一番遭遇しやすい問題です。事前にテスト撮影して確認するのが一番確実。

落とし穴3:フラッシュが使えない

電子シャッター使用中はフラッシュ(ストロボ)が発光しない機種がほとんどです。暗い会場で「フラッシュが光らない!」と焦ることがないように、事前に知っておきましょう。

対策:

  • ISO感度を上げる(ISO 3200〜6400。最近のミラーレスはノイズが少ない)
  • 明るいレンズ(F1.8〜F2.8)を使う
  • フラッシュが必要な場面ではメカシャッターに戻す

行事撮影で使うサイレントモードの実践テクニック

設定方法を知っていても、実際の行事撮影では「設定以外の部分」で差がつきます。α6700で子どもの行事を撮り続けてきた経験から、実践的なポイントを5つ。

  1. 行事の前日にサイレントモードをテストする。当日に初めて設定すると、メニューの場所がわからずパニックになる
  2. AF駆動音が小さいレンズを選ぶ。ボディが無音でも、レンズのAFモーター音は消えない。特に古いレンズは要注意
  3. 曲間・拍手のタイミングでAFを合わせる。AF駆動音が気になるなら、音が大きいタイミングでピントを合わせておいて、本番はMFで微調整
  4. バッテリー残量に注意。電子シャッターは常にセンサーが通電するため、メカシャッターより消費が多い機種がある。予備バッテリーを持っておく
  5. 連写モードの挙動を確認しておく。電子シャッターとメカシャッターで連写速度やバッファ枚数が異なる機種がある

よくある質問

サイレントモードで画質は落ちますか?

電子シャッター自体で画質は落ちません。ただしローリングシャッター歪みやフリッカーが発生すると、結果として使えない写真になります。静止した被写体・自然光の環境なら、メカシャッターと画質の差はありません。

一眼レフでもサイレントモードは使えますか?

完全な無音撮影はできません。一眼レフにはミラーと機械式シャッターがあるため、構造上音が出ます。「静音モード(Q/Quiet)」でミラーの動きをゆっくりにして音を抑えることはできますが、無音にはなりません。完全無音が必要ならミラーレスカメラに乗り換えるか、スマホを使うのが現実的です。

iPhoneのシャッター音を完全に消せますか?

日本で販売されたiPhoneでは完全に消せません。Live Photosをオンにすると音が小さくなります。ビデオ撮影中に静止画ボタンを押すと無音で撮れますが、画質はやや落ちます。

発表会でのカメラ撮影はマナー違反ですか?

撮影自体がマナー違反かどうかは会場のルール次第です。多くの学校行事では撮影可ですが、シャッター音は迷惑になりえます。サイレントモードが使えるカメラなら周囲に配慮しながら撮影できます。事前に学校や施設のルールを確認してください。

撮った写真を形に残すなら、フォトブック比較ネットプリント比較も参考にしてください。

もう一度選ぶならこうする

子どもの行事撮影を10年近く続けてきて、今の結論はシンプルです。ミラーレスカメラのサイレントモードがあれば、行事撮影のストレスは9割消える

ただし電子シャッターの落とし穴(ローリングシャッター歪み・フリッカー・フラッシュ不可)を知らないまま使うと、大事な瞬間を台無しにする可能性がある。設定方法を覚えるだけでなく、事前にテスト撮影でデメリットを体感しておくのが一番の対策です。

撮った写真はスマホに入れっぱなしにせず、フォトブックにまとめておくと家族で見返しやすくなります。僕は子どもの行事写真を毎年フォトブックにまとめていますが、年数が経つほど「作っておいてよかった」と思える。詳しくはフォトブックおすすめ比較をどうぞ。

カメラ選びの基本から確認したい方は子育て世代の一眼カメラ選び方【2026年版】もあわせてご覧ください。

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1 件のコメント

  1. 初めまして。EOS Kiss Mユーザーの初心者です。
    キャノンもサイレントモード搭載がありますので追記して欲しいなと思いました。

    キャノン
    EOS Kiss M
    EOS Kiss M2
    EOS RP
    EOS M200
    EOS R